失敗から学ぶ

今週は一頭の親牛の調子が悪くなり、続けて点滴だった。
その牛は分娩して1か月くらいで、「少しやせてるかな〜」というくらいだったのだが、先週の終りからちょっと体調が悪そうになり、今週に入ってからは立つのもやっとになってしまった。
獣医さんを呼んで診てもらうと、分娩後のエネルギー不足が原因だということだった。分娩後は、お産した後の子宮の回復に加えて、牛乳出す分のエネルギーが必要なのだが、それが給与した牧草と穀物だけでは足りず、少しずつやせていき、それがここにきて体調不良として表に出たのである。
実は、今年に入ってから、分娩後に与える穀物の量を少し落としていた。乳牛だって草食動物だから、牧草をしっかり与えていれば、穀物を与える量を減らしても、乳量が落ちるくらいで健康は維持できるのではないかとタカをくくっていた。ところがどっこい、中にはどんどんやせていく牛が出て、今回のようなことになってしまった。
牛には悪いことをしたが、試してみないと分からないことがある。なにしろ俺は、酪農の常識というものがないからである。失敗して実感して初めて理解できる。
まずは牛が健康でなければ、いい酪農はできない。