スプリングフラッシュ


今日は午前の仕事の後に、放牧地の電牧(電流が流れる牧柵)の取り付けを行った。
放牧といってもいろいろやり方はあるが、我が牧場のやり方は集約放牧といって、全部の放牧地を各牧区に区切り、一日毎に牧区を変えながら放牧をするというやり方だ。我が牧場の放牧地の全面積は約13ヘクタールで、それを9牧区に区切っている。それを1サイクル9日でまわしていく。
なぜこういうやり方かというと、ただっぴろい放牧地に牛を放すよりは、ある程度の密度で牛を放したほうが、そこに生えている草をまんべんなく食べてくれるからである。そして1サイクルまわる間に、食べられた草がもう一度伸びてまた牛が食べるのである。
この時期はスプリングフラッシュといって、一斉に草がぐんぐんと伸びる時期だ。放牧させるタイミングを間違うと、一気に草が伸びてしまって効率的に放牧をすることが出来なくなってしまう。
天気の良い昼間に、緑の草地で作業をしていると、とても贅沢な気持ちになる。初めてこの草地を見た人は、最初からこの風景だったと勘違いするが、元々は森林で、牛を飼うことの出来るようなところではなかった。それを入植した方々が一つ一つ切り開いて、今の草地が出来ている。
先人達の血のにじむような努力の末に、この草地ができていることをかみしめながら仕事をした今日の午前であった。