豚足

先日、石垣島にいる親父から出産祝いが贈られてきた。中には赤ちゃんとかみさんのTシャツや、石垣島の食品が入っていた。中でも俺の目を引いたのが、てびち汁という、豚足の煮込み汁のパックである。親父、ありがとう。
そう、この日記でも何度も書いているが、俺は豚足には目がない。
俺と豚足の出会いは、幼少期にさかのぼる。休みの日には、家族で近くにある焼き鳥屋によく出かけていた。そこでなぜか親父は俺のために必ず豚足を注文し、他の家族が焼き鳥を食べる中、俺はせこせこと豚足を食べていた。九州では、豚足は切ったりせずにそのままの形で出てくるので、当時の俺にしてみればかなりのでかさだった。
「おいしい!」と特に思ったわけではないが、俺も豚足を強制して食べさせられていたわけではなく、自分の意思で食べていた。言うならば、「そこに豚足があるから。」
大学進学と共に福岡を離れると、豚足を食する文化は西の方が強いということが判明する。周りには豚足を食べたことのある人がかなり少ない。
それでも、学生寮に住んでいたころ、俺は豚足とご飯というメニューを一週間に一回は食べていた。コーチに焼肉屋に連れて行ってもらうと、迷わず豚足を頼んだ。
そして北海道に到着すると、ここでは「豚足を食べる」という文化すらないことに気づく。「豚の足でしょ?食べれんの?」っていう感じ。親父から贈ってもらったてびち汁は、結局俺が全部食べることになった。
感謝の電話を昨日親父にしたら、「今度は生の豚足を20本おくっちゃるけん待っとけ!」
それはむしろここでは嫌がらせになるからやめといて!と断っておいた。