田舎から考えること

この日記ではあまり時事問題を取り上げていない。なぜなら、自分の周りのことについてあれこれ批評してもあまり意味がないから。この日記の目的は、あくまで「農家の生活を知ってもらうこと」「俺の友人を笑わせること」の二つであるからだ。
でも、今回は二つの問題について取り上げる。
一つは道路特定財源について。
よく道路特定財源を守るよう主張している人たちは、田舎などの僻地ではまだ道路が整備されていないから、もっとどんどん道路をつくらなければいけないと言っている。
俺は政治的な駆け引きや日本全国の道路事情を知っていないのであまり断言はできないが、このワンオブザモストイナカイストプレイスインジャパン(日本で最も田舎である地域の一つ)に住んでいる俺から言わせてみると、少なくともここには道路はもう必要ない。もっと言うと、整備した方がよい場所はいくらでもあるが、それよりも教育と医療にお金を使ってほしいと思う。
幼いお子さんや介護を必要とする老人を抱えている家庭では、少し具合が悪くなると、一時間ばかり遠出してでっかい病院に行かなければいけない。昔は小さい病院がもっとあったそうだ。
そして去年牧場に来てくれた後輩の医者の卵が言うところ、かなり医者が大変そうだ。過労で病院を辞めるお医者さんもいると聞く。過労が原因かは分からないが、道内のある病院では、内科のお医者さんが全員辞めてしまって、内科の外来が受けられなくなってしまっているという。
だから、道路よりも医療や教育にお金を使ってほしい。
もう一つはギョーザ問題。
去年から食品に掲載されている情報の偽装問題が話題になっている。そして今回の問題。マスコミは偽装する側や生産者の責任ばかり取り上げる。もちろんそっち側の責任が一番重いが、もっと大きな視点で見ると、安い食品しか買わない消費者ばかりの日本だからこうなったと思う。だから自給率が下がる。
生産者としても、もっと消費者に選ばれる食品を作らなければいけないと思う。日本人を心豊かにするためには、まず食の復興からではないだろうか?
…とまあ田舎からない頭を振り絞って考えてみた。