不確実

俺は元々あまり生物系の勉強が苦手だった。どちらかというと物理や化学が好きだった。
なんでかというと、(高校レベルの)物理や化学は、こういう方程式や化学式で書けるからこうなる、のような感じで、確実に答えを記述できたから。大学に入ったら物理も化学も訳分からん。
生物は、いろいろな生物種によっていろんなメカニズムがあるし、こうなるからこうだ、みたいな単純な図式ではない。カオスだ。
だから、こうして毎日牛と接していると、生物としての牛の複雑さに頭を悩ませる自分がいる。
また、そういうこと以前の、今日は元気でも明日は元気か分からない、というたぐいの不確かさにもまだ慣れていない。
上手くいっているときはこのままずっと死ぬまで大丈夫だと思っている中で、いきなり牛の事故がおきたりすると、かなり動揺する。もちろんそういうリスクは最小限にしなければならないが、0%にするためには24時間牛舎にいないといけない。そんなこともできない。
だから、そういう不確実さを許容できるような自分にならないといけないとは思いつつも、まだできない。
まあ俺も生命だし、明日どうなるかも分からないし、野生動物もみんな同じなのだと思うと、少し楽になる。