バレーの思い出

ここ数日は、夜にテレビをつけたらバレーのグラチャンがあるので、ちらっと見てしまう。なぜなら俺は中学時代バレー部だったからだ。
今思い返しても、かなり弱い部であり、さらに自分は下手だった。自分の中学にはバスケ部がなく、バスケがしたくてもバスケ部がないから仕方なくバレー部に入った、みたいな友人が多かった。だから先生が見ていないときはよくバスケをしていたし、ヤンキーが多かったのでよくお金をかけて試合したりしていた。そんな雰囲気がたまらなく嫌だったが、だからといって俺が部を変えてやる!みたいな情熱もなかった。
中二のとき、我が中学に赴任した先生がバレー部の顧問になった。自分たちの代になった時、下手な自分がなぜかキャプテンに選ばれ、しかもセッターに選ばれた。下手だったので、まともなトスがあげられなかった。案の定かなりしごかれた。よく蹴られた。でも、なんでだろう、いくら蹴りをくらっても、憎いと思わなかった。逆に、もっとしごいてくれ、下手な俺をもっと上手くしてくれと思った。毎日筋肉痛の体をお風呂のお湯に浸した時の快感は、それまでに味わったことのないものだった。
でも、中二の終わりのときに、その先生は急病で天国に旅立った。そしてバレー部は元の状態に戻った。俺は下手なままだった。
その人に愛情があれば、どんな表現方法であれ、その愛情は必ず人に伝わるものだ。